はじめに
放置気味だった、PCM2706+PCM5102A構成のUSB DAC作成を再チャレンジ。
自分を追い込む為、期限を100日に設定して7/1再スタート!
再スタート1日目から9日目までに行ったことをまとめました。
既に実施済みの作業
イヤホンジャックとPCM2706とPCM5102AはAliexpressで購入済みです。
★イヤホンジャック
https://ja.aliexpress.com/item/4001053757282.html?spm=a2g0s.9042311.0.0.2ed14c4dJKSiZ4
→4.4mmバランス型ジャックです。 今回の回路はアンバランスにする予定ですが、今後バランス型DACも作りたいのでまとめ買い。
※参考価格:5個で635円。送料587円なので計1222円。
★PCM2706
https://ja.aliexpress.com/item/4000120186880.html?spm=a2g0s.9042311.0.0.2ed14c4dJKSiZ4
→USBとI2Sを変換するために使用。
※参考価格:2個で680円。送料375円なので計1055円。
★PCM5102A
https://ja.aliexpress.com/item/1005002412276183.html?spm=a2g0s.9042311.0.0.24ac4c4dBfKdNg
→I2Sで送られてきたデジタルデータをアナログ出力するDAC部分。
IC単体ではなく、基板になった状態のものを購入。DAC作成時は剥がして使います。
※ラズパイからI2S信号を出力させて、この基板をDACとして使う、なんて使い方もできます。剥がす前にvolumioを使って遊んでみました。こんな小さい基板ですが、思ったよりもいい音が出ます。
ラズパイ+volumio+PCM5102基板で遊んだ時の事もいずれ記事にしようと思います。
※参考価格:一個で351円。送料77円なので計428円。
作業① kicadとLibraryLoaderインストール
先ずは開発環境を整えます。
まずはkicadのインストール。
https://www.kicad.org/
kicadは回路CAD・基板CAD・3D表示機能等を備えた総合開発環境です。これがタダで使えるとは凄い時代です・・
kicadについては紹介してるサイトが無数にあるので詳細は省略します。
最初からいくつか部品は登録されていますが、基本的には各自必要な部品を追加して設計を進める必要があります。
せっかく集めた部品データがPCの故障で無くなると悲しいので、私は追加部品はgoogleドライブに保存しています。
うまくやれば、部品のライブラリを別PCと共用する、といった使い方もできそうです。
作った回路図や基板図もクラウドに入れとくと安心ですね。
次にLibraryLoaderのインストール。
https://www.rs-online.com/designspark/pcb-part-library–kicad
これは、kicadの追加部品をまとめたデータベースから簡単に部品をダウンロード・インストールできるRSのソフトです。
想像以上に充実していて、タダとは思えないクオリティです。
今回使用する部品もすべてここで揃いました。
作業② 回路図を引く
基本的な仕様は、前回の記事で書いたとおり。
PCM2706やPCM5102AはわりとDAC業界ではメジャーな部品なので、ネット上に参考資料が沢山出てきます。
いろんな情報を組み合わせてそれっぽい回路を引いていきます。
各部の簡単な説明は以下の通り。
いろいろと突っ込みどころはありますが、まあ動かないことはないはずです。
バランス型のイヤホンジャックを採用していますが、今回はGNDはLRとも共通にしています。バランス駆動は二号機以降のお楽しみ・・
※とにかく動くDACを一日でも早く作ってみたかったので。トライアンドエラーでどんどん新しい基板を作っていこうと思います!
部品表は以下の通りです。
USBコネクタは家に転がってた謎メーカーの相当品を使用するので、部品表の部品とは異なります。
ちなみに、kicadの回路エディタから出力される部品表はxmlなので、そのままだと可読性は低いです。
以下のサイトでcsv形式に変換してくれます。便利です^^
https://app.usagi1975.com/kicadbom
作業③ パターン設計
※おことわり:自分で見てもセンスないなあと感じるパターンです。急ぎすぎたと反省してます・・
kicadパターン設計を紹介してるサイトも無数にありますので、設計方法の詳細は省略します。
A面に部品を載せており、B面はパターンのみです。
基板サイズは50*100mm。※基板製造する際、一辺が100mmを超えると急に見積もりが上がります。
余った領域は全部GNDベタ。 アナログとデジタルくらい分けておくべきだったかなあと反省。
★パターン①(B面の配線非表示)
パターン②(A面の配線非表示)
3D図は以下の通り。 ICの3Dモデルはあったり無かったりしますが、雰囲気を掴むには十分です。
USBの電源ラインのコモンモードチョークが一番でかいですね・・
作業④基板製造
いよいよ基板製造です。
基板製造の委託先は国内か中国の二択ですが、趣味の世界では異様に安く基板が作れる中国に発注するのが一般的でしょうか。
中国の中でも色んな基板製造会社がありますが、今回はPCB GOGOを選択。
https://www.pcbgogo.jp/
今後発注する際は、大手のELECROWやFusionPCB等も試してみようかなと思います。そのうち比較記事にしてまとめます。
発注する際、kicadからデータを出力して、それぞれの基板製造会社のルールに合った形式のデータを準備する必要があります。
自力でデータを揃えることも勿論可能ですが、今回は以下のプラグインを使用しました。
https://asukiaaa.blogspot.com/2021/01/kicad-pcb-for-pcbgogo.html
とても便利なプラグインで、各社向けの複数データが一気に出力できます!
PCB GOGOの場合、出力ファイルのうち「****default.zip」を選択してPCB GOGOアップロードするだけ。
エラーやデータの修正依頼も一切なく、トントン拍子で基板製造が始まりました。
※発注方法の詳細等は別途まとめようと思います。
ちなみに、どの基板メーカも基板のサイズや厚さ、配線の最小の細さ(精度)によって値段が大きく変わってきます。
PCB GOGOの自動見積り画面のイメージ(デフォルト設定)を以下にに示します。
ここで設定する最小パターン/穴径を守るようにkicad上で意識して設計する必要があります。
最小パターン/穴径をkicadでルール設定しておくと確実です。
今回作るレベルの簡単な基板であればデフォルト設定のままで十分です。
今回は以下の条件で発注しました。
・基板サイズ:50mm*100mm
・枚数:5枚
・レジスト:黒に変更
実際の注文完了後の画面がこちらです。
見ていただければ分かると思いますが、基板は5枚で550円。一枚あたり110円と格安です。
送料は1650円かかってますが、時間がかかって良いのであれば800円程度の発送方法もありました。
そうすれば送料込み1300円程度で特注基板が5枚も作れてしまうことになります。とんでもない安さです。
基板が来るのが楽しみです^^
★残作業
・基板が届くまでに部品の買い出し
・2号機の設計を進める
コメント
コメント一覧 (1件)
はじめまして 私も今年になってKiCadを覚えて基板作成し、同じくpcbgogoに出しています。
三月兎>家電のケンちゃんで販売されていました キチクロZというオールSMDのバランス接続ヘッドホンアンプのキットを製作したのですが、動作しなかったためにKiCadを覚えて、基板作成し、部品集めしています。
これが完成したらついに、見つけました貴殿のDACにチャレンジです。